2012年10月1日月曜日

ネルソン輪読会:熱性けいれん(FS)(2012/9/26)

疫学と検査のポイントを抜粋。

1番のポイントは⑧のFS児でのEEGでFS再発やてんかん発症は予測できないこと。
てことは基礎疾患があったり、無熱でない限り脳波の意味はないんだなと思いました。

①6-60ヶ月(5歳)で発症。
②2-5%は生涯に1回経験する。
③初めてのFS後繰り返す率は30%、2回以上のFS後及び1歳未満の繰り返す率は50%。
④FS再発リスクファクター。
Major:1歳未満。発熱24時間以内の発症。38-39℃での発症。
Minor:FS、てんかんの家族歴。CFS。集団生活あり。男児。血清Na低値。
⑤てんかん患者の15%にFS既往あり。FS児の2-7%がてんかんになる。
⑥FS後のてんかん発症のリスクファクター:単純型1%、神経発達障害あり33%、局所の複雑型(CFS)29%、てんかん家族歴あり18%、発熱から1時間以内のFS11%、CFS6%、繰り返すFS4%。
⑦腰椎穿刺:1歳未満強く勧める。1歳半未満も勧める(1歳半まで髄膜刺激症状はっきりしない)。しかし元気であれば得られる情報は少ない。1歳半以上は髄膜刺激症状や頭蓋内感染を疑う徴候があれば行う。
⑧脳波:健康な初回の単純型FSは行わない。EEGはFS再発やてんかんの発症を予測しない。4歳以上のFS児では嗜眠期にスパイクがよく見られるが、これはてんかん発症を予期するものではない。FS後2週間以内のEEGは非特異的な後頭部の徐波が出るので、2週間たってからEEGやるか2週間後に再検する。痙攣後、意識がすぐ回復しない時はけいれんが続いているか、けいれん後(nonepilptic twilight state)なのかEEGで区別できる。
⇒EEGはFS後にてんかんを調べるためにやるんじゃなくて、意識が回復しない時にけいれんの持続か、睡眠か、それこそ脳症を区別する意味の方があるみたいです。
⑨血液検査:初回単純型ではルーチンには勧めない。脱水や低血糖疑うなら血算、血糖、電解質(カルシウム、、リン、マグネシウムも)やる。
⑩CT,MRI:初回単純型FSでは勧めない。CFSや神経学的異常所見あればやる。けいれん重積(30分以上)の時は海馬が腫脹することがある。

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