2012年9月2日日曜日

第3回小児感染症夏季セミナーin安曇野

行ってきました。6つのグループに分かれたワークショップとレクチャーでした。
充実したチューター陣、他施設の若手小児科Drと交流ができ非常に楽しく勉強できました。
来年みなさん行ってください!

各ワークショップで勉強になったこと。

①マクロライド耐性マイコプラズマ
(旭川厚生病院小児科 坂田宏、横浜南共済病院小児科 成相昭吉)
1.マイコプラズマ感染症小児136例(川崎医大、2005.6-2011.1、血清抗体価+real-time PCRで診断)のうち102例(75%)でマクロライド耐性遺伝子が検出。これらの48時間以内の解熱はマクロライド28%、ミノサイクリン90%、トスフロキサシン94%。(第59回日本化学療法学会総会)

2.旭川厚生病院のデータ(2010.9-2011.8)
マクロライド耐性でも半分はマクロライドのみで治療終了(効いたか自然経過)。

3.8歳未満のミノサイクリンは6日未満の投与ではほとんど黄色歯問題ないが、短い期間でも黄色歯出現することあり(歯にいくことは間違いない)(かなり古い文献、メモれなかった)。十分説明した上で使用すること。

②それって本当に感染症?
(富山大小児科 金兼弘和、岡山大大学院保健学研究科 小田慈)
1.原因不明の発熱の鑑別に自己炎症性疾患の鑑別を。特に全身型若年性特発性関節炎(sJIA)のとき。基本的に遺伝子診断。
2.家族性地中海熱:厚労省研究班による診断基準あり。腹痛、胸痛、関節痛。治療コルヒチン。
3.高IgD症候群:主に乳児期発症。皮疹、腹部症状、関節痛。メバロン酸尿症と鑑別必要(発作時尿検体保存)。
4.TNF受容体関連周期熱症候群:乳児期発症。
5.Cyropyrin-associated periodic syndrome:寒冷蕁麻疹、関節痛、皮疹、軟骨病変、感音性難聴、慢性髄膜炎、眼病変
6.Blau症候群:JIAと鑑別重症。
7.Periodic fever, aphthous stomatitis, pharyngitis and cervical adenitis:5歳までに発症。診断基準あり。

③ポリオを含めた予防接種(私の参加したワークショップ)
(国立感染症研究所 多屋馨子)
1.接種率下がると、輸入時outbreakする(まだ流行国あり、ナイジエリア、パキスタン、アフガニスタン)。去年中国で21人輸入ポリオ。
⇒啓蒙して、しっかり予防接種。
2.単独不活化ポリオワクチン(IPV)と4混併用可だが、4混の在庫の問題でIPV1回でも打ったことある人続けて単独IPVをお願い。
3.麻疹:パルボウイルスB19、HHV-6/7、デング熱で麻疹IgM弱陽性。
⇒麻疹疑ったら、EDTA血、咽頭ぬぐい液、尿を保健所を介して衛生研究所へ。

④インフルエンザ
(札幌医大小児科 堤裕幸)
1.ワクチン:2歳未満の効果不明(Jefferson T et al. Lancet 365, 2005)。厚生科学研究でも1歳未満効果なし。

⑤乳児期早期の発熱(同僚の参加したワークショップ)
よろしく。

⑥小児血液培養
(長野県立こども病院総合小児科 笠井正志、新潟大小児科 斎藤昭彦)
1.小児での適切で現状に則した方法定まっていない。⇒作ろう!以下、笠井先生中心の多施設合同研究のデータ。
2.採血量:Cumitech Guidelineというのあるが量多すぎ(1kg未満に2ml)。この量達成できなくても陽性率変わらず。CLSIガイドライン(10kg約7ml)を達成すると陽性率上がる。1ml以上と1ml未満でも陽性率に有意差あり。
⇒目標はCLSI量で最低1ml?
3.汚染率はポピドンヨードの方がアルコールより高かった。
⇒アルコールで可?(しっかり消毒する意識の方が重要かも)。
4.陽性となったボトルは1268セット中、79%好気のみ、3%嫌気のみ(いずれもコンタミと判断)、18%両方陽性
⇒好気だけでもよいかも?
5.血流感染で2回目のみ血培陽性だったの1例のみ。しかも基礎疾患あり。
⇒基本的には1セットで、必要と考えた状況のみ2セットでよい?
6.上記は基礎疾患ありの児多かった。ルートキープ時の血培についても議論あり。
7.さらに多施設で症例数を増やす予定。

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