2012年11月19日月曜日

ネルソン輪読会:RSウイルス(2012/11/13)

へーっと思ったところ書いておきます。

・重症例はヒトメタニューモウイルスとの同時感染が多い。
・胸部レントゲンで浸潤影がなければほぼ細菌性は否定。
・鑑別にクラミジアトマコマチスを(結膜炎、肺炎)

2012年11月17日土曜日

【疾患&治療】クループ症候群(2013年度版)

来年度の救急外来のマニュアル「クループ症候群」を改訂します。

==========マニュアル============

クループ症候群


咳嗽を主訴で受診した患者さんの場合は、まず
「どんな咳をしますか?犬が吠えるようなケンケンという咳をしませんか?」
と咳の性状を質問します。目の前で咳をしていない場合は、この病気は問診でしか診断ができません。診断したらスコアをつけてみましょう。
●クループスコア(Westley)
喘鳴
なし:0,聴診すると聞こえる:1,聴診器なしでも聞こえる:2
陥没呼吸
なし:0,軽度:1,中等度:2,高度:3
空気の入り
正常:0,低下:1,極度の低下:2
チアノーゼ
なし:0,興奮するとあり:1,:安静時もあり:2
意識状態
正常:0,異常(混乱、興奮):5
2点以下:軽症 3-6点:中等症 7点以上:重症

症状:吸気性呼吸困難、犬吠様(けんばいよう)咳嗽、吸気性喘鳴、嗄声

対応
Score2点以上

SpO2を測定し、95%以下なら酸素を投与
ボスミン 0.2ml+生食2mlの吸入
改善無ければ、20分おきに行ってよいが、必ず、心拍数のモニターを行うこと。
2回吸入しても改善が乏しければ、小児科当直医に上申すること。

Score1
ボスミン 0.2ml+生食2mlの吸入し、改善を確認する。
SpO2に問題ないことを確認して、内服を処方して帰宅。

Score0
SpO2に問題ないことを確認して、内服を処方して帰宅。

内服
症状が消失したら、悪化時に受診するように指導し、リンデロン散0.15-0.2g/kgあるいはデカドロン錠 0.15-0.2mg/kgを1回分処方し、帰宅とする。
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小児科専門医としてはmist therapyを指導して帰宅させましょう。
お風呂の換気扇を止めて、シャワーを5分ほど壁に当てておき、その時に生じるミストを吸わせてあげる方法です。
効果のある場合とない場合があるのですが、簡単にできる対応なので帰宅時に指導をすると良いでしょう。
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これまで、軽い症状に吸入、重い症状にステロイドという対応がされてきましたが、2004年にThe New England journal of medicineでmild croup(croup score:2点以下)に対してのステロイド投与によって、再受診率や症状が有意に改善することが報告されてから、軽症でのステロイド投与を推奨しているマニュアルが増えてきました。



【→Croup ( Laryngotracheobronchitis)
-Clinical Practice Guidelines in The Royal Children's Hospital

<文献>
Bjornson, C.L.,T.P. Klassen, et al A randomized trial of a single dose of oral dexamethasone for mild croup. The New England journal of medicine.2004; 351:. 1306-13.




2012年11月1日木曜日

症例報告のスライドの作り方

経験した1つ1つの症例経験は大切な財産です。
地方会や研究会での報告は、なれないうちはスライド作りが大変です。

とても便利なページを見つけたので、ぜひ参考にしてみると良いでしょう。

特に秀逸なのは、面倒な経過表の作成についてです。



Open Office で症例報告スライドを作る

2012年10月29日月曜日

第16回東海小児感染症研究会(2012/10/27)

特別講演は北里生命科学研究所の中山哲夫先生で「ラボからみた予防接種」の方法でした。
海外では同時接種で打ってみて大丈夫だったという風に言えればOKですが、中山先生は予防接種の際に体の中で何が起きているのかを解析され、人種の違いなどから安易に海外のデータを輸入して予防接種を行うのではなく、日本人らしく緻密に解析を行い同時接種の安全な組み合わせを考えていくといった趣旨でした。
以下まとめです。

・H5N1 pandemicワクチン(全粒子不活化ワクチン(H5 WIV)+アルミ(アジュバント)):成人では発熱もなく安全に接種できた。しかし、抗体反応はイマイチ。小児は発熱率が高く安全性に課題。しかし、抗体反応は良好。⇒成人リンパ球で炎症性サイトカインの発現を見てみた。
・H5 WIVでIFN-α、IL-6、TNF-αが誘導、アルミを足すとIL-1βが誘導。
⇒自然免疫↑↑⇒発熱と免疫応答に関連あり??成人リンパ球でサイトカイン誘導起きたが抗体反応、発熱率が少ないのは不明なので今後更なる検討必要。
・他の現在有効なワクチンも全て自然免疫系の遺伝子発現の誘導あり。多少サイトカインの反応が異なる。同時接種の組み合わせによる違いは??

・同時接種のサイトカインを検討してみると、数が多くなるほど、特にPCV-7が絡むとサイトカイン↑↑。実際、同時接種の時はPCV-7が絡むと発熱多い。
⇒同時接種の際はPCV-7はずらすと良いのかもしれない。
⇒提案としては生後2カ月でHBV+Hib。その1週後にPCV-7+ロタ(ロタは免疫応答が異なるので同時でよいとした。)

・日本では過去、抗菌薬や解熱剤の頻回筋注により大腿四頭筋拘縮症が問題。今後同時接種で大腿に打つ上で皮下注と筋注の安全性・有効性の差を検討した。
⇒マウスに筋注、皮下注して、病理所見を見た。
・アルミなしは所見なし。アルミありは炎症反応を伴う肉芽腫が6カ月位で縮小。皮下注と筋注の組織像は同じで、筋拘縮症にみられた組織所見はなかった。
⇒現状のワクチンで皮下注と筋注の安全性に差はなし。

2012年10月22日月曜日

若手医師のWEBセミナー

とても興味深いWEBセミナーがあります。

イベント名称:Japan Clinical Practice Festa 2012(ジャパン クリニカル プラクティス フェスタ 2012)
略称    :JCP Festa2012
開催期間  :10月26日(金)、27日(土)、28日(日)
開催場所  :http://jcpf.carenet.com/ ※WEB上のイベントです
参加費   :無料(各プログラムを閲覧するには、プログラム提供元の無料会員登録が必要になります)

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プログラム紹介
【基調講演】
臨床研修制度の過去・現在・未来
インターン闘争から新たな専門医制度へ
慶應義塾大学 名誉教授 相川 直樹 氏
【特別講演】
指導医に求められるもの
名古屋大学大学院医学系研究科健康社会医学専攻総合診療医学 教授 伴 信太郎 氏
【隣の研修をのぞく!】
札幌徳洲会病院、関東労災病院、筑波メディカルセンター病院など20本の動画を公開!
【達人・先輩医師に学ぼう!】
6名のケアネットDVD達人先生をはじめ、総勢30名の先生からメッセージをいただきました!
まさか、あの著名な先生がこんな失敗を?達人先生の経験から学ぶこと盛りだくさんです!
卒後10年目以下の先輩も多数登場。研修医目線に立ったリアルなアドバイス&メッセージ集です!
【若手医師の熱い課外活動】
「尋常じゃないカンファレンス」
今年最大(?)のウワサになった、「尋常じゃないカンファレンス」。
でも実際に見た方は少ないはずです。
JCP Festa2012では、第一回目の「尋常じゃないカンファレンス」の概要映像や
実際に登壇された先生のご協力で再収録した「尋常じゃない風カンファレンス(症例クイズ)」配信します!
症例を出題してくださるのは、ティーチングドクターとして若手医師から絶大な人気を誇る、山中克郎氏(藤田保健衛生大学 総合救急内科 教授)と、関西若手医師のホープ平島修氏(市立堺病院)です!
「フィジカル王にオレはなる!」
身体診察を熱く学ぶ部活動「堺フィジカルクラブ」から、とっても熱いレクチャーもいただきました。皆で学べる内容です。聴診器と油性ペン(なぜ油性ペン?詳しくは映像をご覧ください)をご用意してアクセスしてください。
【特別プログラム】
ローレンス・ティアニー先生の珠玉のケースカンファレンス!
【プレゼント企画】
おしゃれなスクラブや電子聴診器が抽選で当たります!
【ブックフェアー】
若手医師に人気の医学書を61冊集めました!中身をちょろっと立ち読みできます!
【ちょっと一息。オフ企画】
美女医だらけの生ガールズトーク
27日(土)20時よりLive配信予定!どんな話が飛び出すか?若手女性医師たちがワイン片手に、医療のこと、仕事のこと、私生活のことを“女子会のり”で気ままに語ります。医学生、研修医の方々からの質問、コメントもTwitter(@joitalk)で受け付けます。男性医師・医学生の方々も女性医師の「女子会」の様子をちょっとのぞいてみませんか?
他にもまだまだプログラムを用意しています!
他病院/施設で行われている研修の様子は?
研修医、指導医が知りたいこと、気になる話題が盛りだくさん
巷でウワサの若手医師の熱い課外活動!
カリスマ指導医のここだけの話。
参加して、学んで、楽しんで、豪華プレゼントをGETしよう!
10月26日(金)、27日(土)、28日(日)はぜひhttp://jcpf.carenet.com/へ!







2012年10月19日金曜日

卒後セミナー「子供の消化器病自信を持ってみていますか?」

小児消化器肝臓病学会主催の卒後セミナーです。
そうそうたる面々に講義をうけることができ、しかも10000円で、有益な情報が得られるなんて非常に魅力的な企画だと思います。




2012年10月11日木曜日

運動障害:舞踏病(Chorea)、バリスム

運動障害は、神経専門医以外にはなかなかわかりにくいものです。
わかりやすいページを見つけたので紹介します。


神経疾患治療マニュアル



「舞踏病(Chorea)、バリスム 診断」

バリスムの動画も載っており、一度見てみてください。