==========マニュアル============
クループ症候群
咳嗽を主訴で受診した患者さんの場合は、まず
「どんな咳をしますか?犬が吠えるようなケンケンという咳をしませんか?」
と咳の性状を質問します。目の前で咳をしていない場合は、この病気は問診でしか診断ができません。診断したらスコアをつけてみましょう。
●クループスコア(Westley)
喘鳴
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なし:0点,聴診すると聞こえる:1点,聴診器なしでも聞こえる:2点
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陥没呼吸
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なし:0点,軽度:1点,中等度:2点,高度:3点
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空気の入り
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正常:0点,低下:1点,極度の低下:2点
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チアノーゼ
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なし:0点,興奮するとあり:1点,:安静時もあり:2点
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意識状態
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正常:0点,異常(混乱、興奮):5点
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2点以下:軽症 3-6点:中等症 7点以上:重症
症状:吸気性呼吸困難、犬吠様(けんばいよう)咳嗽、吸気性喘鳴、嗄声
対応
■Scoreが2点以上
SpO2を測定し、95%以下なら酸素を投与
ボスミン 0.2ml+生食2mlの吸入
改善無ければ、20分おきに行ってよいが、必ず、心拍数のモニターを行うこと。
2回吸入しても改善が乏しければ、小児科当直医に上申すること。
■Scoreが1点
ボスミン 0.2ml+生食2mlの吸入し、改善を確認する。
SpO2に問題ないことを確認して、内服を処方して帰宅。
■Scoreが0点
SpO2に問題ないことを確認して、内服を処方して帰宅。
内服
症状が消失したら、悪化時に受診するように指導し、リンデロン散0.15-0.2g/kgあるいはデカドロン錠
0.15-0.2mg/kgを1回分処方し、帰宅とする。
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小児科専門医としてはmist therapyを指導して帰宅させましょう。
お風呂の換気扇を止めて、シャワーを5分ほど壁に当てておき、その時に生じるミストを吸わせてあげる方法です。
効果のある場合とない場合があるのですが、簡単にできる対応なので帰宅時に指導をすると良いでしょう。
これまで、軽い症状に吸入、重い症状にステロイドという対応がされてきましたが、2004年にThe New England journal of medicineでmild croup(croup score:2点以下)に対してのステロイド投与によって、再受診率や症状が有意に改善することが報告されてから、軽症でのステロイド投与を推奨しているマニュアルが増えてきました。
【→Croup ( Laryngotracheobronchitis)】
-Clinical Practice Guidelines in The Royal Children's Hospital
<文献>
Bjornson, C.L.,T.P. Klassen, et al A randomized trial of a single dose of oral dexamethasone for mild croup. The New England journal of medicine.2004; 351:. 1306-13.
効果のある場合とない場合があるのですが、簡単にできる対応なので帰宅時に指導をすると良いでしょう。
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【→Croup ( Laryngotracheobronchitis)】
-Clinical Practice Guidelines in The Royal Children's Hospital
Bjornson, C.L.,T.P. Klassen, et al A randomized trial of a single dose of oral dexamethasone for mild croup. The New England journal of medicine.2004; 351:. 1306-13.
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